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2014年2月12日 (水)

誰にもわかってもらえない孤独

(このブログで取り上げる話は、事実に基づいた完全なるフィクションです)

○月×日

(前回からのつづき)

ナンダカンダと、情報や注意事項などの前置きがたくさんあっての相談開始となったが、

このかたの話を聞いてみると、相談というよりも、
「自分のことを、わかってほしい」という強い思いを、必死にぶつけられているように感じた。

ただ、なんだか話を小難しくしていて、こちらを警戒しながらの必死さ。
たくさん伝えたいけど、若い支援者になめられたくない。
こちらのささいな表情や反応を、ずっとうかがっている。

でも、「見捨てられたくない」。。排除されたくない。。
たくさんの感情がうずまいているように見えた。切なかった。

私の至らなさで、話す内容はよくわからない部分が多かったが、
でも、「とっても、困っている」こと、理解されなくて「孤独だ」ということは、ものすごく、伝わった。それで十分だと思った。

その人が話すことの信憑性や事実かどうかは、後でいい。
私たちは取り調べをしているのではない。それが相手の真実であると、信じるところからしか、始まらない。

いま、このかたがここで何を伝えたいのか、何を思っているのか。
あらゆるアンテナをめぐらせて聞き取ろうと、必死で向き合う。


それが、私たちの仕事ではないか。
私たちは、偉そうに助言をして導くことが、仕事ではない。
相談イコール助言と、簡単に思ってはいないだろうか。

そんなもの、相手のかたに本気で求めてもらえるかどうかには、まず、信頼関係が必要だ。自分に置き換えれば容易にわかる。

「コイツは話してもいいやつだろうか。」
「自分のことを先入観や前情報で見て警戒したり、適当にあしらったりしないだろうか。」

『ちゃんと、自分と向き合う覚悟ができているだろうか』

それをおそるおそる確かめながら、いろんな感情でもって、話しているのだと思う。

いろんなところでトラブル、出禁という体験は、そんなつらい思いや警戒心を、より深めてきてしまったに違いない。

私は、このかたの言うことに、とことん寄り添い、乗っかることにした。



つづく





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



こうやってブログで書くことにやや躊躇はあるが、あえて書く。

支援者が『人格っぽい』という人の特徴として、以下があげられるだろう。

・感情が不安定(日常的に、高揚したり、落ち込んだりが激しい)
・何か自分にとって気まずいことがあっても、何もなかったかのように振る舞う
・職員や家族、友人への攻撃や依存が激しい
・自分自身と向き合えず、他責の念(自分は悪くない)にとらわれる
・職員のような動きをする
・苦情が多い
・人間関係でトラブルをおこしやすい
・感情的になると、リストカットやODをする

など。

そして、これらを含む前情報があると、支援者は、

「その人との距離の取り方に注意すること」
「曖昧な言い方や情報提供はしないこと」
「最初に時間やルールをはっきりさせておくこと」
「できないことはできないと、はっきり伝えること」

などを注意するように指導されたり、自分で注意したりする。


しかし、前回も書いたように、私たちが気を付けることよりも前に、なぜその人がそうなったのかを、徹底的に考えるほうが先だ。苦しい背景や経過があったに違いない。

そして、ほんとうにその人は、『人格っぽい』のか。

そもそも、人格障害なんていう呼び方自体、いらないし、失礼な区別だ。

誰でも、いろんな背景や生きづらさがある。
誰でも、警戒されたり、排除されたらつらいはずだ。

そして、こんな失礼な区別、『人格っぽい』と言われるのは、明日は我が身だ。
周囲とちょっと違うことをしたら、真正面から向き合い行動したら。
すぐに私も誰でも、そのようにレッテルを貼られてしまうだろう。



「前情報」や「職員の困り感」に、だまされるな。






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