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2014年4月21日 (月)

SSRI(抗うつ薬)による害と減薬(このシリーズラスト)

(このブログで取り上げる話は、事実に基づいた完全なるフィクションです)

○月×日

(前回からのつづき)



ご本人も私も、ずっとひっかかっていたこと。

それが、通院先と、処方の内容だった。


かなり前から、パキシルを始めとした、SSRI(抗うつ薬)、そして、抗精神病薬と、眠剤、副作用止めなどが多数処方されていた。

ご本人なりに調べて、薬の効果にはとても詳しく、こちらの意見などはあまり求めていないようだった。

また、「ワーカーさんだから、薬のことはわからないですよね」、とも言われた。

当時の私は確かに、薬への疑問は多々あったが、具体的に何がどう悪いのか、までは、説明できるほど学びきれていなかったので、何も言えなかった。

このかたは、初診時には「うつ病」と言われていたが、その後改善せず病名は色々と変化し、現在は「統合失調症」であると言われていると。

しかし、統合失調症にあると言われている、幻聴や妄想、思考障害などはみられない。

感情の波が激しく、えらく落ち込むときと、行動や言動が激しくなることを繰り返しているが、躁うつ病で言われている、ゆっくりとした数か月単位での上がり下がりではない。数日おき、または数時間おきに上下している。とても忙しそうで、身体もしんどい様子だったが、自覚はない。

しかし、私と話すときはどんな状態でも必ず事業所まで来るし、きちんと話ができる。

継続して関わることで、このかたが、もともとは誠実でまじめで、とても優しいかたであることはよくわかっていた。


「薬の影響なのではないか?」


私はずっと疑問を持ち、いつご本人に伝えるか、タイミングを計っていた。


トラブルをおこしてひどく落ち込み、寝込んで動けなくなると、大量にパキシルだけを飲むも、効果はない。すでに処方通りではなく、自分でチョイスして飲んでいる。


通院していたが、医師が診察でも全く話を聞かず、めんどくさそうに同じ処方を繰り返し、よくならないと言えばさらに追加。その処方すらもいい加減で、薬局に行くと、種類や日数を間違えていることが何度もあった。


私は、ご本人の不満が高まってきたところで、通院先を変更することを、強くすすめた。


薬も多すぎると思うし、飲んでも望む効果は出ていない。そもそも、統合失調症ではないと思う。


何よりも、医師がきちんと診察をせずにいることは、こちらが通院の同行をして理解を求めるレベルではない。通院先でもトラブルをおこしているので、おそらく診る気がないのだろう。


ご本人は、通院先を変えると、逆に「病気ではない」と見られてしまい、今使っている福祉制度が打ち切られてしまうのではないかという不安があり、決断には時間を要した。


時間をかけて一緒に検討し、決めたところの医師が、偶然にもわりと「当たり」で、ご本人やこちらの意見をよく聞き、薬の影響があることを見抜いて、本人に伝え、減薬した。

ご本人も、医師からそのように言われると、すんなりと受け止めた。薬による作られた双極性障害、であることに、ご本人も大いに納得がいったのだった。


薬を減らしていくことに、いろいろと不安はあったようだが、急激なアップダウンはなくなった。思いついたらすぐに行動し、トラブルとなって落ち込む、というパターンも徐々に減った。


もともとの不安定さは残っている。幼少期の不幸により、心から安心できる環境や人間関係がわからず、家族への葛藤も続いている。


しかし、このかたがそういう自分を理解し、自覚することができたことで、日々の生活面や人間関係、家族関係に、とても冷静に向き合いはじめた。すると、誰かや社会を責めてばかりの言動が、驚くほど冷静に、穏やかになっていった。


この段階ですでに、私との関わりは、数年経過していることをお伝えしておく。

一緒に季節を何度も越え、焦らずにサポートを継続していくことが、大切だと思っている。

そして、全ての経過や、このかたが頑張ってきたこと、乗り越えたこと。それに伴う変化や成長を、きちんと覚えておく。そしてそれを常にそのかたに伝えていく。

それが、信頼関係をさらに深めていくことになる。

皆さん、日々生きることで精いっぱいで、過去にも不安と不満ばかりで、良かったことは全然覚えていないことが多くあるからだ。

一緒に動いてきたことで、私が必ずそれを記憶している。
担当がかわっても、その経過や想いは記録に残る。

もう、このかたは、自分が何だかわからないけど嫌われる、という苦しみからは解放された。そして、薬では何も解決しないことも受け入れた。


失ったこれまでをどう取り戻していくか、もともとの不安定さをどうしていくか。
新たな壁を見上げてはいるが、その表情は、晴れやかだ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



もともとの不安定さによる生きづらさが病気とみられ、自身でも病気と思い医療へつながるも、適切な治療やサポートにつながらなかったために、長年、薬を多く出されてしまい、重症化。遠回りしてしまったケースである。


こういうかたは、とても多い。


各地でトラブルがおきていることで、治療しておきながら、医療側も警戒し、排除しようとする。

その原因が、自らが処方している、薬や、曖昧な診断であることには気づかない。すべて本人の病状のせいにしてしまう。かと言ってそれをきちんと治療できるわけでもない。

トラブルがおきると、医療側は本人を責め、薬で鎮静化しようと多剤となり、それがさらなる不安定さを生む。どうにもできなくなったら入院させることも。悪循環だ。


また、多剤であることと、攻撃的で不安定で、「人格っぽい」ことが、さらなるレッテルとなり、医療だけでなく、福祉や制度を使う際にも、支援者から警戒され、排除されてしまう。


支援者は、そのかたの生い立ちや背景、そして処方の経過も確認し、そのかたの現在、過去、未来に、親身になって、思いを馳せなくてはならない。


「困った人」という前情報があるかたほど、なぜそうなのか、情報に惑わされずに注意深く、アセスメントすべきだ。


そして、薬の影響で、人格までかえられてしまうことを、理解すべきだ。
こんなに人権侵害なことはない。



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