« 2015年 新たな一歩へ | トップページ | その状況や思いの背景にあるもの »

2015年6月25日 (木)

困っていることが、恥ずかしい。申し訳ない。

※この話は事実に基づいた、完全なフィクションです。

〇月×日


ずっと気になっていた電話相談があった。
具合が悪くてなかなか直接相談に来れないと。



精神科の通院に加えて、喘息、アトピー、排尿障害、腰の痛み。身体のこわばり。


ほぼ毎日どこかしらの病院への通院をしないとならないが、行けていないとのこと。


きっと、多剤処方に違いない。と思っていた。



しかし、薬のことを聞いても、「それは主治医に相談していますから」、と言われてしまう。


なかなか家から出られないから、宅配の寿司や惣菜などで食事をすます。


すると食費がかかってしまい、現金も食べるものもなくなってしまう。

一度自宅を訪問させてほしい。
一人暮らし、生活保護利用。家族は疎遠。たくさんの疾患を抱え、栄養状態なども安定していないことが予測され、何とか生活状況を聞き、力になりたかった。


しかし、恥ずかしい、
という思いと、こんなところに来てもらって申し訳ないという思いで、なかなか訪問を承諾してくださらない。



たまにかかってくる電話の度に、訪問させてほしいと伝え、半年以上が経った。



・・・・・・・・・・・



ある日、電話があり、「実はもうあと、200円しかないんです」と。


次の保護費支給日まで3週間以上ある。


苦しい状況と孤独感で自暴自棄になり、3食出前や宅配にして、一気にお金を使ってしまったという。また、数日前には、今までためこんだ薬を、無意識のうちに飲んでしまい、身体がより動かなくなっているという。


電話で様子を聞きながら、会話はできる状態であることを確認。


冷蔵庫の中にあるものや、戸棚にある缶詰や保存食などを聞き、1週間分くらいの食糧はやりくりできるめどは見えた。


しかし、足りないし、そもそも、不調がある中で自分で食事の用意が出来るかもわからない。


とにかく心配であることを必死で伝え、ようやく訪問の了承を頂いた。


また、上司と生活保護担当ワーカーに相談し、状況により食材などをこちらで代理で購入し、保護費支給日に代金を返してもらう緊急対応も提案、身体状況によりやむなしとの見解を得ておいた。


(※原則として、物品であっても、収入認定されます。)



電話では訪問の承諾を得たものの、受け入れてくれるだろうか。


いつも、訪問に行くときは、とてつもなく緊張する。
何度も通っているお宅であっても。


こちらの気づかない言動や視線や振舞いが、信頼関係をあっという間に崩すと言うことを、知っているからだ。彼らはそれだけ緊迫した状況で、日々、生活している。そのしんどさや恐怖は、計り知れない。



インターホンを押し、静かに開いた扉から見えたその表情は、意外にもふっきれた様子で、穏やかだった。



少し安心した。




でも。



そのかたの足元から床の端まで。隅々まで。



はがれた皮膚が、数センチ、積もって真っ白になっていた。



そして物とごみらしきものが、天井まで、あふれかえっていた。




次回へ続く




ブログランキング 応援お願いします

  

 http://blog.with2.net/link.php?1316890



« 2015年 新たな一歩へ | トップページ | その状況や思いの背景にあるもの »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1626439/45671442

この記事へのトラックバック一覧です: 困っていることが、恥ずかしい。申し訳ない。:

« 2015年 新たな一歩へ | トップページ | その状況や思いの背景にあるもの »

無料ブログはココログ